「ミサト…お前があんまり大袈裟に騒ぎすぎるから誰でも気づくとは思うんだが。」
そう言って彼はこめかみに手を当てる。
ふわっとした茶髪に二重のきれいな瞳
そしてこの優しげな声…
恭ちゃん…だ……。
スーツ姿…かっこいい…
あたしは目を奪われて離せなくなってしまっていた。
「だって早く手当しなきゃ、この子痛そうなんだもん。」
女の人…いやミサトさんと呼ばれた人は頬を膨らましながらも手際よく手当をしてくれた。
「でもそんなに騒ぐ必要はないだろう。彼女も困って…………っ!?」
そう言ってあたしを見た恭ちゃんの目の色が変わる。
「お前……、来栖か?」

