「早く手当しないと!!」 慌てて彼女はあたしを近くの席に座らせた。 「あの、大丈夫ですから…」 「だめだめ!痕なんか残ったら大変でしょ!今あたし救急箱とってくるからね!」 そう言ってウインクする。 そしてそのまま背を向けて走りだそうとした瞬間、 コツンー… 彼女の頭に薬箱のような物が乗せられた。 「これが必要なんだろ?」 茶髪の背の高い男の人が箱を頭から彼女の手に置く。 あれ…この人… もしかして… 「恭史郎~!気がきくじゃん。」