「なんだよ。早くしろよ。俺だって忙しいんだけど。」 めんどくさそうに桐生が言った。 やっぱりつかまっていいんだよね? いや…でも…もし違ったら… 頭の中で考えをぐるぐると巡らせていると 「きゃっ。」 強引に腕を引っ張られた。 「お前トロすぎてまじうぜえ。」 そう言って背を向けると会場の方へと歩きだした。 あたしの手を掴んだまま――…