「俺はずっと、お前達の結婚に反対していた」
桐生のお父さんが話し始める。
やっぱり…まだちょっと怖いなと思いながらも必死に話に耳を傾ける。
すると桐生が手をギュッと握ってくれた。
大丈夫…
何を言われてもあたしには桐生がいてくれるから…
「大財閥の御曹司が一使用人と結婚なんて…、お前のことを考えても、財閥のことを考えても許せなかった。そんなことで誰も幸せになんかなれないと思ってたんだ」
…もっともな言葉。
だからこそ、堪えなくちゃ。
「だけど…お前、変わったよな」
桐生のお父さんの低い声が少しだけ震えた。
「俺の言うことを聞いているだけのお前はただの人形みたいに感情のない目をしていた
…でも」

