お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~


…ったく…


「大丈夫だからそんな顔するな」


そう言って髪を撫でたら萌は安堵の笑顔になる。


でも…


「消えちゃったな」


俺が倒れたのは萌の描いた相合傘の上。


文字が読めないどころかハートに亀裂が入ったようになっている。


「うん…」


萌は切なそうな表情でそれを見つめていた。


「すぐ消えちゃうね」


…少し縁起が悪い気もするけれど


「ばーか。そんな顔するなよ」


笑って萌の髪の毛をぐしゃっと撫でた。


そしてそのまま瞼にキスを落とす。


「形があるものなんていつかなくなるんだから」


「…え?」