お気に入りの曲をかけて談笑すること一時間。 都会を抜けてたどり着いたのは 「海…っ!!」 リゾート地でも有名な砂浜。 透き通った青の海が光に反射してきらきらと輝いている。 少し季節外れだから思ったより人は少なくて。 穏やかな風が髪をなびかせた。 「すごいっ!!桐生見て!!」 はしゃぎながら砂浜の貝を手に取って見せる萌。 せっかくロマンチックな場所に来たのにまるでガキだな。 でも…そのあどけない表情も嫌いじゃない。 「どれだよ」 洒落たズボンのすそをまくって俺も後を追った。