日本の一流大学を卒業した恭ちゃんは親の仕事を継いでIT関係の大会社の役員となった。
黒いスーツを着こなし、朝から晩まで仕事にいそしんでいる。
前みたいにあまり会えなくはなったけど、仕事熱心な彼のことをあたしはずっと応援し続けている。
そんな麻生家の会社は携帯電話の事業で成功して、次の春にはさらに会社を拡大していくそう。
彼の未来はきっと今以上に輝かしいものになると、
あたしはそう、確信している。
「来栖」
「なに?」
「4年間よく頑張ったな」
「……ありがとう」
ポンッと頭に手をおいて優しく撫でてくれる。
その笑顔は初めて会った日からずっとずっと変わらない。

