ノーメイクで汗だくというぐちゃぐちゃな格好。 とてもじゃないけど桐生には見せられない。 早く着替えなきゃ… 「お疲れ様」 「わっ」 後ろから声をかけられて一瞬驚く。 振り返るとそこには恭ちゃんがいた。 「さすが気合入ってんな」 床を眺めながら恭ちゃんは感心したように言う。 「一ノ宮家のメイドとして当然のことをしたまでです!」 「そうか、桐生もきっと喜ぶな」 恭ちゃんが見せた笑顔にあたしもつられて微笑んだ。