俺は萌に最低な命令を下そうとしている。 萌の人生を大きく大きく狂わすことになるだろう命令を… 「萌…」 彼女の名を呼んで俺は席を立ちあがった。 「桐生様?もう少しで出発だというのにどうなされたのですか?」 「行かなきゃ…」 「はい?」 「急用ができた」 それだけを言い残して俺は飛行機を飛び出した。 このままアメリカに行くなんて絶対にできない。 そんなことしたくない。 だから行かなきゃ 萌のところへー…