…え 耳を疑ってしまうような声。 窓から差し込んだ光の方向。 その眩しい先にいたのは昨日と何も変わらない、君だった。 あたしの元へと歩いてくる君は いつもみたいに意地悪そうに笑っていた。 騒がしかった周りの音の一つも聞こえない。 これは夢なんだろうか… 「桐生っ……!!」 涙でかすんだ視界に映る変わらない笑顔。 でも、 夢でもいい。 もう一度君に会えたんだからー… 「萌」 桐生はあたしのところでしゃがみこむと背中にギュッと手を回した。