「萌…、乗った飛行機と時間、同じでしょ!?」


友ちゃんが叫んだ。


「桐生が死ぬわけないっ!!あたし空港に行ってくる!!」


「ちょっと萌!!」


友ちゃんの声も無視してあたしは走り出していた。


きっとこれは悪い夢


それか何かの間違いだよ…


桐生が死ぬはずなんてない。


あたしの傍からだけでなく


この同じ空の下からいなくなるなんてそんなの嘘だよ…。


息を切らしながらあたしは空港へ飛び込んだ。


自動ドアをくぐるとそこは、違う世界だった。


騒々しい雰囲気でインフォメーションに詰めかける人々。


泣き崩れる人もいる。


テレビ局の関係者のような人が実況中継している。


見たくなかった、知りたくなかった現実がそこにはあった。


いや…嫌だよ…。


桐生…。