一面に並んだ使用人達の名前。
それは俺がお世話になってきた沢山の人の名前で埋め尽くされていた。
運転手だった須々木さん、
そして来栖一家の名前が並ぶ。
萌の父親に母親…
そして
「くるす…もえ」
そこにある愛しい人の名前をミサトは口にした。
「そ、俺が萌とも関係を断ち切らない限り、あいつはクビになる。そしてあいつの家族もだ」
「そんな…」
ミサトは酷くショックを受けているようだった。
本当は誰にも言わないつもりだったけど、
ミサトは事実を知らない限り納得してくれないだろう。
さっきもなんとなく買ってしまった萌への指輪のことで渡せばいいじゃんと思い切り掴みかかられたしな。
「だから俺は留学に行くことにしたんだ」

