フッと笑った吐息が耳に残った。 それはあたしの心から消えることはなかったんだ。 横を通り過ぎていく気配。 部屋を遠ざかっていく足音。 終わったんだ。 それだけしかわからなかった… ――――・・・ 「桐生!!」 ミサトが追いかけてくる。 「んだよ、今度は」 「なんだよじゃない!!なんでそんなこと言ったのよ!!」 そう言って俺の前に立ちはだかった。 「別にいいだろ」 「よくないよ!!なんでわざわざ萌に嫌われるようなことを言うの?」 「…いいんだよ、これで」