バタン!!
扉が開く音が聞こえた。
カツンカツン…
足音が近づいてくる。
それはあたしの真後ろでピタリと止まった。
「来栖…」
名前を呼ぶ声がする。
恭ちゃん…
顔なんか見なくてもわかる。
でもあたしは顔を上げることができなかった。
涙を止めようとしてもとまらなくて。
「…ひくっ…」
「なんで、こんなところで泣いてるんだよ」
「…ごめん…」
「そうじゃ…なくて」
恭ちゃんが後ろからあたしのことを抱きしめた。
「なんで桐生のこと、離したんだよ…」
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