「痛っ!!いきなり止まんないでよ」 「…お前は何か聞いてるのか?」 「…何かって?」 「桐生と来栖のこと」 もの凄い形相で俺の服を引っ張っていたミサトが手を離した。 「…聞いてるのは恭史郎の方でしょ」 「…」 見上げてくるミサトの瞳が揺れる。 「あたしは何か聞いたわけじゃないよ。…でも、おかしいでしょう?高校卒業まであと3ヶ月なのにいきなり留学なんてさ」 「…ああ」 「だから、桐生が何を考えてるのか知りたいだけ」 「…それを知ってどうする気なんだよ」