あたし達の時間の砂時計が
今
残された時間を刻み始めた
「だって…せっかくのチャンスじゃない。ここで勉強して立派になって、いつか一ノ宮財閥を継がなくちゃ…」
「でも…」
堪えたはずの涙が、一つ、また一つと零れ落ちていく。
あたしは桐生の左手を包み込むように両手で握った。
「だめだよ、あたしなんかのために行くのをやめちゃ。桐生の未来は日本の人々の希望でしょ…」
「……そんなこと…」
そう言いかけて桐生が下唇を噛んだ。
「くそ…っ!!なんで、こうなるんだよ。誰が…何が…なんていう俺はガキなのかっ」
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