「あたしも…桐生のこと好きになってばっかりだよ」 大好きだからこそ離れたくない… 想いが決意さえもを揺らがそうとする。 「ばーか、可愛いことばっか言ってんじゃねえよ」 あたしの言葉を聞いた桐生は顔を上げて微笑んだ。 そしてあたしの背中に手を回して抱きしめた。 「お前のこと、離せなく…なるだろ」 かすれた声。 声が、抱きしめる強い腕が…震えてる。 きっと、留学のことだ。 桐生が何を考えているか直感的にわかった。 今言うしかない。 伝えなきゃ… あたしの思ってること。 「あのね…」