「うん…」 ここは正直にそう答えた。 恭ちゃんなら何か知っているかもしれない… なんていう淡い期待を抱きながら。 「そっか」 恭ちゃんは柔らかい笑みを浮かべた。 そしてコップの水を一口飲むとあたしの目を真っ直ぐに見つめてきた。 「来栖が気になっていることは何?」 「それは…えと…」 話したいことと話せないことの両方が多すぎて、言葉に詰まる。 「いいよ、話せる分…ゆっくり話してみな」 優しい恭ちゃんの言葉に涙が出そうになった。 恭ちゃんになら相談しても良いかな… 「あのね…」