「すごく…優しくしていただいています」 怖い… 目を合わせることもできない。 「ふーん、ガキの恋愛ごっこなんてすぐ飽きるだろうにな」 クスッと笑いながら旦那様が手を伸ばしてくる。 頬に触れた瞬間、体がビクンと震えた。 「婚約者を放棄してまでこんな小娘のどこがいいんだろうか…」 「…っ」 嫌味だとわかっていてもこれは事実… 言い返せる言葉なんて何もない。 将来を考えれば…今どうしなきゃいけないかなんて答えは一目瞭然。 好きだという気持ちだけじゃどうにもならない世界だもの…。