「そんなことないよ。あれはただ助けてくれただけで…」
「…はい鈍感~。たとえご主人様とその親友だとしても学校の王子様的存在の一ノ宮桐生と麻生恭史郎にあんな風にされてたらねぇ。」
友ちゃんはそう言ってあたしの頭を小突く。
麻生恭史郎(アソウキョウシロウ)
IT関係で有名な企業、麻生グループの御曹司。
頭が良くさらにはバスケ部のエースで4番、
彼もまた美形だが桐生とはタイプが違う爽やか系のイケメンである。
桐生と生まれ育った境遇が似ていて
また同じ年ということもあって二人は小さなころから親友である。
二人はいつも一緒にいてさらには学校の注目や人気を二分する存在。
だけど……性格は正反対だ。

