「なに…?」 顔を上げて視線を交わすとさっきまでとは違う真剣な顔が目に入った。 「もし、俺と萌が離れることになったらどうなると思う?」 「離れる…?」 呟いたようなあたしの言葉を聞いて桐生は遠くの夕日を見つめながら一歩前へ出た。 桐生の声にいつものような冗談めいた雰囲気は一切ない。 突然の言葉がズシッと心にのしかかった。 離れるっ…てどういうこと? 不安に襲われて大きな背中に声をかけようにも言葉が出てこない。 「たとえば…。」 先に次の言葉を切り出したのは桐生の方だった。