「クス…ッそんなことはどうでもいいが …財閥の跡継ぎであろうお前が使用人の部屋なんかで何をしている?」 両腕を組んで挑発するように笑う親父。 ゾクリ…と体に嫌な汗が流れた。 しばらく家に帰らないと言っていた親父がここにいる。 でもこうなった理由なんて心当たりが多すぎるくらいだ。 「別に関係ないだろ。」 そう言い放って目を合わせずに横を通り過ぎようとする。 けれど 肩をガシッと強い力で掴まれた。 「今日は、お前に話があって来たんだよ。」