――― 無防備に俺の腕にしがみついてくる萌。 馬鹿野郎… 可愛い顔しやがって。 理性が飛ぶじゃねえか。 萌は何度も指輪を手にとってはうれしそうな顔をする。 もう、指輪しか見えていないみたいだ。 そういう笑顔は嫌いじゃないけどな… だけどな… 萌の肩を俺の方へと引き寄せる。 「ひゃっ…。」 バランスを崩した萌は俺の胸へと倒れこんでくる。 「き、桐生…?」 顔を真っ赤にした萌が見上げてきた。