「待てよ!!!」 グイー…ッ 後ろから手をひかれたと思った瞬間 「きゃっ…!」 遮られた視界―… 弾みで零れた涙が 濡らしたのは… 「き…りゅう…。」 走り出したはずの体は逞しい腕の中に収まっていた。 「"二度"も俺から逃げようなんていい度胸じゃないか。」 ドキンー… 低い声に心臓が大きく音を立てた。