「他の見に行こうか。」
「そうだね。」
そう言って恭ちゃんは指輪を棚に戻そうと手を伸ばしたー…
その時だった。
「お二人さんなにしてるのー?」
あたしの後ろからミサトさんがひょこっと顔を出した。
「わ、ミサトさん!!」
びっくりするあたしと恭ちゃんを見てミサトさんは「へへっ。」と笑う。
「ミサト…お前は本当に油断も隙もないな。」
「何それ!恭史郎が真面目すぎるだけでしょ!…って…」
そう言いかけてミサトさんは棚に戻しかけた恭ちゃんの手を引っ張った。
「おまっ…いきなり何するんだよ。」
「何これ?指輪?超かわいいんだけど。」
「……ったく、そうだよ。今、二人で見てたところだよ。」
恭ちゃんの手には戻しそびれた指輪がそのままあった。
「もしかして萌にあげるの?」
「…そのつもりだったんだけどな。サイズが…」
「いいなー!!ラブラブじゃん!!」

