「えっ…別にあたしは。」
「顔に書いてあるよ。桐生のことが気になるって。」
恭ちゃんがにっこり笑った。
普通にバレてるーー!!
でもごまかしてもあたしの視線は無意識に彼の奥に見える桐生の姿を追ってしまっていた。
消そうとしても消せない。
ほんとあたし…最低すぎる。
桐生のことが好きなくせに
恭ちゃんの優しさに甘えてまた心配かけてるんだ。
そんなのダメだって頭ではわかってるのに…
「違うの!ただあの指輪が可愛いなって思って!」
はしゃいだ声をあげてあたしは近くの棚に駆け寄った。
わざとらしかったかな?
でもこれ以上迷惑かけたくないんだ。

