涙をぬぐってもぬぐってもまた奥から熱いものがこみあげてくる。 早く、早く帰らなきゃ。 泣きやまなきゃ。 じゃないときっとまた迷惑かけちゃ… 「来栖?」 後ろから名前を呼ばれて慌てて振り返る。 「あ…。」 恭ちゃん…。 部活帰りだろうか、ジャージ姿で大きなスポーツバックを背負っている。