焦りで頭の中がいっぱいになっていく。 これ以上迷惑かけないようにしなきゃ。 「おい、萌。」 「……あっ、何?」 「今日はもう寝るぞ?」 片付けを終えた桐生の声にはっとなる。 「うん…。」 「どうしたんだよ?」 「なんでもない。」 覚えれなくて焦ってるなんてとても言えないよ。 「じゃあ、何でそんなしけたツラしてんだよ。」 桐生がイラっとしたように肩を掴む。 「ほんとになんでもないから…。」 そう答える自分の声は予想以上に弱弱しくなってしまった。