「今日はここまでだな。」 桐生が参考書を閉じる。 時計の針は午後11時を指していた。 机の上に散らばった教科書を集めて大きく背伸びをする。 「お疲れ、来栖。」 恭ちゃんがジュースを持ってきてくれた。 「ありがとう。」 グラスを片手に閉じられた参考書を見つめる。 難しい内容も少しずつは覚えてきたけど、追試をクリアできる気はしない。 あたしってやっぱり本物のバカなのかもしれない。 二人が手伝ってくれてると言うのになあ…。