「待って!!」
「早水君…!」
「それなら、
オレが飼いますから。
これからはオレの家で
世話をして、
ちゃんと予防接種も
つれていきます。
だから見逃してください」
「早水君…」
「うーん…
まあおじさん達も
出来れば犬を殺すなんて
したくないし…。
その代わり君、
ちゃんと責任持って
世話してくれよ」
「はい!」
保健所のおじさん達は
車に乗って去っていった。
「スー…!
良かった…」
「ふっ。
泣くなよ、七瀬さん」
「だって…!」
「スーはオレたちを
巡り会わせてくれた犬だ。
死なせるわけないだろ?」
久しぶりの早水君は
顔つきがたくましく
なったような気がした。

