「あとはヨーグルト…」
「ちょっとふざけないで
ちょうだい!!」
お母さんからの
お使いの途中、
聞き覚えのある声が
耳に入ってきた。
「なんで私がこんな安い物
盗らなきゃならないの!
違うと言ってるでしょう!?」
「でもねえ奥さん、
実際あなたのポケットから
商品が出てきたから…」
あの人って…
早水君のお母さんだ…!
「あの、どうかしましたか?」
「あなたは…七瀬さん」
「どうもこうもないよ。
この人が店の商品
万引きしたのに
認めないんだ。
君この人の知り合いなら
なんとか言ってくれないか?」
「それ…
証拠はあるんですか?」
「え?」
「証拠もなくこの方を
疑わないでください!
この方は万引きを
するような人じゃ
ありませんよ!!」
「あなた…」
「で、でも…
商品がポケットから…」
「誰かがこの方のポケットに
入れただけかも
しれないじゃないですか!」

