早水君のお母さんは
あたしをジロジロと見る。
「あっ、七瀬由梨です。
早水君とは…」
"クラスメイトです"
言えなかった。
やっぱりあたしは
早水君を…
「ふーん、そう…。
あなた、七瀬さん
だったかしら?
悪いんだけど
佳久はあなたとは
住む世界が違うの。
もう関わらないでくれる?」
「えっ…?」
「おい母さん…!」
「佳久。
いつも言ってるでしょう?
友達はきちんと選びなさい」
「…母さん。
七瀬さんは友達じゃない。
オレの好きな人だよ」
「まっ…!?
何を言ってるのこの子は!」
「は、早水君!」
「許しませんよ佳久!
大体今だって
塾の時間のはずでしょう!
その子にたぶらかされたの!?」
「違う。
オレの方が七瀬さんを
振り回してるんだ。
行こう七瀬さん」
「あ、待って…」
「と、とにかく
許しませんからね!
佳久!!」

