「あのさあ由梨。
昨日由梨誰かと
手繋いで土手で
話してたらしいじゃん?
誰と話してたのかなあ?」
昼休みの体育館裏。
あたしはミカを始めとした
グループのみんなに
囲まれていた。
「あたしたち友達だよねえ?
由梨にそーゆう関係の
人がいたんだったら
教えてくれれば
良かったのにい」
「あの…イタっ」
ミカに髪を掴まれたかと
思うと、ダン!と
壁に押し付けられた。
「次裏切ったら
こんなんじゃ
済まないからね」
低い低い声で吐き捨てると
ミカたちはその場を去った。
あたしはズルズルと
座りこむ。
震えが止まらなかった。
その時、すっと
目の前にハンカチが
差し出される。

