―――――…
「おはよー」
「あ、おはよーサオリ」
よし。
ちゃんとサオリの目
見て話せる。
「てか由梨目腫れてない?
なんかあったー?」
「えっと…
実は昨日感動モノの
ドラマ見てて…」
「あーあたしも見た!
あれすごかったよねー」
「お、ヨシおっはー!」
「…おっす」
体が反応しそうになる。
チラリと早水君を見ると
目が合ってしまい、
バッと反らした。
「由梨?
どした?」
「ううん…。
なんでもないよ!」
大丈夫。
もう忘れるんだ。
しかし、その日の昼。
あたしの恐れていたことが
起きてしまった。

