「あ、あの…」
「…わかってるよ。
オレだって
鈍感じゃないから
吉村さんの気持ちは
気づいてるんだ」
吉村…
ミカのことだ。
「それにうち…
親厳しくてさ。
情けない話だけど
親が許した相手としか
交際できないんだ。
それでもオレ、
絶対なんとかするから。
吉村さんのことも…」
頬が熱い。
全身の体温が
上がってるのがわかる。
「だから、なんとか出来たら、
その時は…」
早水君の次の言葉、
聞いちゃいけないって
頭ではわかってる。
それでも、目が離せない。
「その時は…
オレと、付き合って下さい」
…涙が出そうになった。
それをグッと我慢した。
「そんな…
出来ないよ。
ミカのこと知ってるなら
なおさら…」
「オレは、吉村さん
関係なしに、
七瀬さんの気持ちが
知りたいんだ。
七瀬さんはオレのこと、
どう思ってるの…?」
「あ、あたしは…
そりゃ早水君と
話すのは楽しい、けど…
ミカは大事な
友達だから…
ごめんなさいっ」

