サオリはああ言って
くれたけど、
多分今の状況は
ミカだけじゃなくて
サオリたちも
裏切ってることになる。
ちゃんと早水君に言おう。
「あ、七瀬さん。
見て。今日は
ジャーキー持ってきた」
「うん…。
あのね早水君」
「うん?」
「やっぱり、あたしたち
付き合ってるわけじゃないのに
毎日会ってるのって
変だと思うんだ。
ほ、ほら!
誤解されたりしたら
早水君も困るでしょ?」
「…いいじゃん別に」
「え…」
「ちょっと座って」
「あ、はい…」
早水君と並んで
土手に座る。
スー君を優しく
見つめながら
早水君は話し始めた。
「7月の初めくらいに。
この窓から外見てた。
あー授業なんか
めんどくせー、って。
そしたら七瀬さんが
川のとこ歩いてて。
あ、あのこ同じクラスだな
名前なんだっけー
とか考えてたら
七瀬さんが急に
血相変えて走り出して。
10分くらいしたら
牛乳が入った
コンビニの袋持って
戻ってきてさ、
何やってんだ
意味わかんねー
って思ってた」

