「あ、あたしもう
帰らなきゃ」
「由梨また愛しのダーリンに
会いに行くの~?
あれ、でも最近
由梨の他にも
世話してくれてる人
いるんでしょ?
それでも行くの?」
「そうなんだよね。
最近あたしが行くと
既におやつが置いてあったり。
でも彼があたしを
待ってるもーん」
「ぷっ!
じゃあまた明日ねー」
そう。夏休み前から
ずっと通ってる彼のもとへ
今日も急ぐ。
電車を降りて
駅の改札を出て、
コンビニで犬の
おやつを買って、
河原におりて
辺りを見回す。
てゆーか一体誰が
世話してくれてるのかな。
きっといい人だろうなあ。
いつか会いたいなあ。
「!
あれは…」
びっくりして
走って例の捨て犬の
ところに近づく。

