恋の魔法。









そして夏休みのある日、
クラスの親睦を
深めるため、
学校側の企画で
1泊旅行に行った。











「海はいいねーっ」

「おっさんみたーい」

「じゃあ、このまま
もう一件行っちゃう?」

「まだ昼なんですけどーっ!」

「………」

「あれ、由梨、
どうしたの?」

「犬…大丈夫かなあ」

「ああ、あの河原の捨て犬か」

「うん…。
あたしが毎日学校帰りに
あそこ通るから
覚えちゃったみたいで…
あたしもついかわいそうで
おやつあげちゃったり
寝床作ってあげちゃったり
雨の日はあたしの傘
貸してあげちゃったり…。
結局習慣になって
夏休みでも毎日川まで
遊びに行ってるし」

「お人好しだねあんたは。
そんなにするなら
家で飼えばいいのに」

「お母さんが
アレルギーだから。
あ~今日あたしが
行かなかったら
寂しがるだろうな~」

「由梨は心配性だな~!
大丈夫だって!
せっかくの旅行
楽しまなくちゃ!!」

「あっ!!」