「あー、そっか。
オレ今日朝から保健室で
サボってたんだった」
「別にあんたの
サボり日記なんか
興味ないし…」
「フっ、そうか。
それもそーだな。
お前、名前は?」
「…七瀬由梨」
「よし、由梨。
お前、気に入った」
その途端、男子の右手が
あたしの顎をとらえた。
「オレは神田咲哉(カンダサクヤ)。
お前、オレと
付き合わせてやるよ」
「…はあ?」
パッとこいつの右手を
払いながらあたしは言う。
「意味わかんないんだけど。
本当興味ないし」
「お前がオレに
興味あるとかないとか
どーでもいいんだよ。
オレがお前に
ちょっと興味わいたから
付き合わせてやる
って言ってんの」
「それ普通の人なら
付き合ってください
って言うのよ」
「うっせーなあ!
いいんだよ細かいのは!
メリットならあるぜ?
オレと付き合ってる
ことにしとけば
バカな男どもも
よってこない。
オレも彼女が出来れば
めんどくさい女たちが
よってこなくなる。
どうだ?いいだろ?」

