「あたし、
楽になってもいいの…?
どうして?
あたしが楽になれなくても
誰とも話せなくても
あたしの自業自得なんだよ?」
「まあそりゃ前の学校で
何があったか
知ってる人たちは
怒るかもしんねえけどさ?
少なくともオレは
お前の良いところしか
知らねーし。
お前を責める理由がない。
例えお前が前の学校で
どんだけ悪いこと
やってたとしても、
所詮オレは実際に
見たわけじゃねーし。
なら、今まで実際見て
関わってきたお前の方を
信じるしかねーじゃん。
人間と人間が
関わり合ってる限り
キレられることも
悪口言われることも
あるけどさ…
その分あったけえ物だって
あるんだって、
オレが由梨に証明してやる」
真剣な瞳。
そしてあたしの手を包む
大きな温もり。
あたしを安心させるには
充分なものだった。
あたしはキュッと
手を握り返し、
意を決して口を開いた―――…

