「…でも、やだ」
「え?」
「あんたに話したら、
多分、あたし、楽になる」
「うん」
「あたしだけ、
甘えるなんて、
許されない」
「誰に?」
「え…?」
「誰が許してくれないの?
この前のおばさん?」
「それは…その人もだけど、
前の学校のみんなも、
ヨシも、あたし自身も…」
「じゃあ、オレが
許してやる」
「そんなの…
あんた1人に
許されたって…」
「由梨。
0と1は違うよ。
お前はいつも1人で
何かに怯えてる。
自分を強く見せてんのも
みんなに心配かけたく
ないからだろ。
誰かに自分を犠牲にしてまで
お前のために動いて
欲しくないんだろ。
お前は誰より人に
優しいから。
そんでそのくせ自分に
厳しいから…
オレはかえって心配なんだよ。
オレはお前を守りたい。
オレの前でくらい…
楽になればいいだろ」

