「ねえ、聞いてんの?」
「えっ!?ああ、はい!」
「…………」
まぬけな返事をしたオレに
投げつけられる
由梨のあきれた視線。
まあこいつの
こーゆう視線は
もう慣れたけど。
「あんた、
髪切ったら?」
「え~オレ今の髪
気に入ってんだけど」
「見てるだけで
暑苦しい。
ただでさえうっとうしい
性格してんだから…」
「あぁん?
オレがうっとうしいだと?」
「!
そ、そうだよ!」
睨もうとしたのに、
由梨はパッと目をそらす。
…もしかして
意識してんのか?
へっ。
だったら…
「ゆ・り」
「ちょっ…!?」
「ん?どうした?」
「な、なんでそんな
耳元で話すのよ?」
「え~?
!!!」
由梨の反応が楽しくて
しばらくそのまま
話していようと
思ったオレだが、
バっと顔を由梨から
遠ざけた。

