恋の魔法。











「クラスであたしが浮いてるの
気にしてるのか知らないけど
毎日毎日話しかけてきて、
それでもあたしは
そっけない返事しかしないし、
ゲーセンの時だって
あんな嫌な態度とったあたしを
助けてくれたのに、
あたしあんたに
優しくしたことなんか
1回もないよね!?
あたしはあんたを
ただ利用してるだけ
かもしれないじゃん!
なのにどうして…」

「優しいよ」

「え…」

「由梨は、優しいよ。
本当に人を利用しようと
考えてる奴には、
自分がひどいこと
言ってるとかそーゆう
自覚はねえんだよ。
だいたい、この金魚
オレにくれたの、お前だぜ?」

「そ、そんなの…
ただの金魚じゃん」

「ただの金魚じゃねえよ。
こいつは、由梨が、
オレにくれた、
大切な金魚。

だいたいなあ…
お前はこのオレが
面白いと思った
女なんだぞ??
信じるにはそれだけで
十分だろうが」