恋の魔法。












「あ!わるい由梨!
じゃあお前らまたな!」

「おう。
由梨ちゃんもまた今度
ゆっくり話そうねー」

「あ、はい…」












"ったく咲哉も
いい子見つけたよなー"
"くっそー
なんで咲哉ばっか"
"おめーより
かっこいいからだよ"












ゲラゲラ笑う声が
次第に遠ざかる。












「ごめんな由梨、
やかましくて…」

「…うん」

「でも、いい奴らだろ?」

「…そうかな?」

「…は?」

「あたしからしたら
ただうるさいだけだったし
正直すごい面倒だった」

「………」

「品もないし
頭空っぽってかんじ。
あたし、つまんなくなったから
1人で遊ぶから。
あんたはさっきの人達と
合流しなよ。お似合い。」

「おい…」













あたしはあいつの顔も見ずに
一気にいい放った。

そしてさっさと
1人で歩き出す。







これだけの人混みなので
簡単にはぐれられた。