「さ~て…
あ!おい由梨!
あいつ取ってやるよ!」
指さす先には
例のスーパーマン。
「いくぞ~」
おもちゃの銃を構えて
狙いを定める。
パンっ
「よっしゃ!
どうだ!
見たかオレの腕前!」
得意げにあたしに
スーパーマンを差し出す。
…子供みたいだな。
「ほら、やるよ」
「じゃあ、あたしも…
ひとつあげる」
「え?金魚?
くれんの??」
「なんか、もらって
ばっかりだし…
い、いらなければ
別にいいけど」
「いやっ!
もらう!くれ!ください!
まじサンキュー!!」
ただの金魚すくいの
金魚なのに、
嬉しそうにニコニコ
しちゃって…
変なの。
なんとなく穏やかな
空気が流れる。
「あれっ?
咲哉?
咲哉じゃね!?」

