「さっ、早くなんか
食べよーぜ!」
「あたしおなか
すいてない」
「はぁー。
お前いちいち
萎えること言うなよ。
じゃ、まずは祭の
王道からいくか」
―――――…
「よしっ取るぜっ」
「金魚すくいね…」
「あっ!
お前今バカにしただろ!
見てろよ~
オレめちゃくちゃ
上手いんだからな~。
きっとこの才能は
神から授かったんだ」
「はいはい…
わかったからやりなよ」
ピチャンっ
「あーあ…」
きれいにあいた穴から
逃げた金魚を除きこむ。
金魚は尾ひれを優雅に
ひらひらさせながら
離れていった。
「くっそ…
おっちゃん!
もう一回!」
「はいよ」
「あんたもう7回目…」
「うっせー!
一匹も取れないまま
終われるか!」
「良かったら
お嬢さんもやるかい?
売り上げの方は
この兄ちゃんがかなり
貢献してくれてるし」
「じゃあ…」
「やめとけやめとけ!
オレがとれねーのに
お前に出来るかよ」

