――由梨side――








…どうしよう。







もう帰ろうとして
出入口の方に
歩き出したとき。





聞き覚えのある
大きな声が聞こえてきた。





すぐわかった。

ミカの声だ、と。





嫌でも体が反応した。





すぐにUターンして
無我夢中で逃げて
そしたら神田咲哉に
ぶつかって…





そこからは記憶がない。









で、ふと我にかえれば
この状態。






今さらになって
鼓動が早くなってくる。





これは、さっきまでの
ドキドキとは違う…。










「もう大丈夫…か?」

「……………」










…気まず過ぎて
顔があげれない。