由梨をすっぽり包んで
UFOキャッチャーの陰に
ひとまず隠れた。
「そろそろ
しめちゃおうか」
「やだ~今すごい
悪人面だった~」
「ミカに言われたくないよ!」
声はもう間近。
由梨の体が一段と
大きく震えたので、
ギュッと強く抱きしめる。
すると由梨もギュッと
しがみついてきた。
普段はあんなに
ツンケンしてんのに、
よっぽど怖いんだな…。
声の主だった女子高生が
すぐ近くを通りすぎ、
オレはちらりと
そいつらを確認する。
由梨の前の学校の
制服を着ていた。
………こんな細っこい体で、
こいつは一体何を
背負ってんだ…?

