「ってーな…
え、由梨?」
「ご、ごめ…」
そこには帰ったはずの由梨。
何かに怯えた表情。
気まずそうに
目をそらしながらも
カタカタと震える指先。
「まじ最近つまんなぁーい」
ビクッ
誰かの声に
あからさまに
反応する由梨。
下を向いてて
表情は見えなかったけど、
オレのシャツの裾を
キュッと掴むその様子から
オレはただ事じゃない
雰囲気を感じとった。
「こっち」
由梨の手を引いて
とりあえず声から
離れようとする。
「やっぱ新しいオモチャ
早く見つけようよ」
「そうね~…」
やべ…
結構近いな…
このままじゃ…
「!?
由梨?」
声がどんどん
近づいてる中で、
由梨が突然立ち止まる。
歯を食いしばって
しきりに首を
横にふっていた。
足、震えてるな…。
「てゆーかぁ~
C組のユキとか
最近調子乗ってなーい?」
チッ…
しょーがねえ。

