もっと、走れ。
もっと、もっと、もっと、もっと。
喉がカラカラ。
でも心はもっとカラカラ。
息が苦しい。
でも胸はもっと苦しい。
階段を駆け降り続けて、
1階にあった自動販売機に
手をついて体を支え立ち止まった。
「はあ、はあ、はあ...」
後から後から
こぼれてくる涙。
いくらぬぐっても止まらない。
あたしの袖は濡れて
ぐしょぐしょに
なってしまった。
確かに神田咲哉と
一緒にいるのは苦しかった。
優しくされても、
笑ってくれても、
それはあたしだけの
ものじゃないんだ、って
思ってしまうから。
それでも、
何度も助けてくれたこと、
お祭りの時繋いだ手の暖かさ、
今日の温もり...
何ひとつ忘れることができない。
「あたし、こんなに...
好きになってたんだあ...」

